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MicroCal DSCユーザ様必見!
DSCシステムに関するFAQ

2019/02/25 Posted by

MicroCal製品のアプリケーションマネージャーのVerna Frascaが、MicroCal DSCの新製品、PEAQ-DSCについて、よくあるご質問にお答えします。VP-Capillary DSCをご使用中の方でもご参考にしていただけるノウハウ情報もございます。是非ご一読ください。


Read this article in English here(原文はこちら)

【Q1:サンプル必要量はどのくらいですか?】

PEAQ-DSC Automatedはデッドボリュームも含め、最低325 μLが必要量です。実際には300 μLがセルに充填されます。このとき、溶液は正確に96-wellプレートにセットするようにしてください。

96-wellプレートには最大400 μLまで充填が可能です。このとき“Load Settings”の“Well Plate Volume (μL)”に実際にセットした溶液量を入力してください。(Figure 1.)PEAQ-DSC Automatedでは、オートサンプラーによって生じる溶液の希釈をソフトウェアで考慮しています。解析時には実際に入力した濃度情報に、この希釈倍率が反映されています。


Figure 1.

Manual PEAQ-DSCでは、付属のマイクロピペットを用いて250 μL充填します。サンプルは余裕をもって、270~280 μL準備することをお勧めします。マニュアルシステムでは、溶液の希釈は考慮する必要はありません。

【Q2:熱履歴を安定させるために、何回“Warm up”スキャンをすればいいですか?】

DSCでは、測定開始前の待機状態から実際にサンプルを測定する前に、昇温/降温のサイクルを繰り返し、システムの熱履歴を安定させることは重要です。Manual、およびAutomatedのPEAQ-DSCはいずれも、システムがクリーンな状態であれば、水―水、または緩衝液―緩衝液のスキャンを、サンプルを測定する前に最低2、3回実施すれば、Warm upは十分です。

なお、PEAQ-DSC Automatedでは、Sample TypeをBufferにすると“Assessment Setting”に☑を入れることができ、Warm upが完了するまで、最大5スキャンを自動で実施します。

【Q3:PEAQ-DSC Automatedにある“Number of Purge Refills”(Figure 2.)は何ですか?どのように設定すればいいですか?】

“Number of Purge Refills”は、96-wellプレートから溶液をセルに充填する前に、ウェル中の溶液をシリンジで何回出し入れするか、の設定です。オートサンプラーでは、測定前に高濃度の塩などを含む溶液をプレートにセットしていると、濃度勾配が起こる可能性があります。そのため、溶液の出し入れを1回しか行わないと、濃度の偏りが生じ、溶液の持つ熱容量が異なり、データの再現性が得られなくなってしまいます。そのために、最低でも3回、Purge/Refillsを繰り返すことをお勧めします。また、溶液をウェルに325 μL以上セットしたり、粘性が高いような場合は、Purge/Refillsを5回繰り返すことをお勧めします。


Figure 2.

VP-Capillary DSCをご使用の方は、“Advanced”タブ内にある“Number of Filling Strokes”が同等の機能となります。PEAQ-DSC Automated同様、3~5回の設定の使用をお勧めします。

【Q4:Clean settingsの違いは何ですか?そしてどれを使えばいいですか?】

DSCのセルをきれいに保つことは、ハイクォリティなデータを取得するために重要です。PEAQ-DSC Automatedは3つの洗浄オプションがあります。推奨する洗剤は14% Decon90、または20% Contrad70です。洗剤はReservoir 1にセットします。

選択した洗浄オプションは、スキャン終了後、次のサンプルが充填される前に実施します。(注:VP-Capillary DSCでは、スキャン開始前、直前のサンプル測定が終了後に実施されます。)

  • Rinse:セルはスキャン終了後、水で洗浄されます。Rinseは水―水測定や、緩衝液―緩衝液測定のときの使用をお勧めします。
  • Wash:セルはスキャン終了後、洗剤、水の順番で洗浄されます。Washはサンプルスキャン毎に実施することをお勧めします。
  • Scan:セルはスキャン終了後、洗剤が充填され、次にスケジュールされたスキャン条件に従って昇温後、水で洗浄されます。このとき、セルへのダメージを防ぐため、Tendは80 ℃に設定してください。Scanはセルをクリーンに保つため、最後のサンプル測定終了後、またはサンプルの粘性が高いような場合は、サンプル毎に実施することをお勧めします。なお、Scanのデータは“DETERGENTSCAN.dscx”として保存されますが、解析には用いないため、DMESファイルには含まれません。

WashまたはScanを選択した場合、水による洗浄はデフォルトでは5 mLになっていますが、水量を増やすことができます。PEAQ-DSC Automatedでは14% Decon90(または20% Contrad70)を用いた場合、5 mLの水洗浄で十分であることは検証済みです。ですが、サンプル条件、または他の洗剤を用いた場合などは、使用者で水量を決めていただく必要がありますのでご注意ください。

また、PEAQ-DSC Automated測定開始時のセルの状態には注意が必要です。システムをスタートさせると、まずセル内を空にし、セル洗浄することなく、96-well プレートから溶液が充填されます。そのため、長期間使用していない、またはセルがクリーンかどうか不明の場合は“Maintenance”画面で適した洗浄方法を選んで実施してください。なお、PEAQ-DSC Automatedでは、しばらく洗浄を実施しないと、アラートが表示されるように設定されています。(Figure 3)


Figure 3.

VP-Capillary DSCでも同様に、“Maintenance”タブからセル洗浄の設定が可能です。(Figure 4)


Figure 4.

Manual PEAQ-DSCでは、ソフトウェア付属のムービーに従い、14% Decon90(または20% Contrad70)による洗浄を実施することをお勧めします。

【Q5:PEAQ-DSCの納品やOQ(Operational Qualification)実施時に使用しているReference Materialは何ですか?また、このマテリアルを検証サンプルとして使用できますか?】

MicroCal PEAQ-DSC Reference Materialはオリゴヌクレオチドで、ご購入いただけます。(製品名:Reference Material Kit、カタログ番号:MCL2015)VP-Capillary DSCでもご使用いただけます。このキットには、推奨メソッドを2回実施できる試薬類が含まれています。

【Q6:VP-Capillary DSC使用時に“Filtering Period”の設定が必要でしたが、PEAQ-DSCにはそれがありません。なぜですか?】

PEAQ-DSCではScan Rateを元にFiltering Periodが自動設定されています。Scan Rateが速くなるほどFiltering Periodは短くなります(数秒)。得られるサーモグラムでは、どのScan Rateでも同じ数のデータポイントが取得されるように調整されています。

【Q7:PEAQ-DSCでメソッドを組む際に、よく使うLoad/Scan設定を保存したいです。どうすればできますか?】

保存したいLoad条件を選択し、Saveボタンをクリック、適宜名前を設定し保存します。保存された条件は、デフォルトの“Load”および“Scan”の下に、グレーで表示されます。


Figure 5.

【Q8:サンプルの濃度を間違えてしまったので変更したいのですが、どうすればいいですか?】

“Analysis”画面でデータを開き、“Fit”画面に進みます。サーモグラム下にある“Concentration (M)”に正しい濃度を入力します。この時、オートサンプラーで生じる希釈は自動で反映されませんので事前に算出する必要があります。また、セットしたサンプル量によっても希釈倍率が変わるので注意が必要です。
濃度を再計算する際は、シリンジ内に残存する22 μLの緩衝液を考慮します。例えば、10 μMのサンプルを325 μL、ウェルにセットした場合、10e-6*325/(325+22)=9.37e-6をConcentration(M)に入力します。

もし、複数のデータをいっぺんに同じ濃度に変更したい場合は、“Records”のリストで選択し、ハイライトさせてから濃度情報を“Concentration (M)”に入力します。データがモデルフィッティング前であれば、“Restore”をクリックして確定します。(Figure 6)Two-state、またはNon-Two-Stateでフィッティングしたのであれば、“Fit”をクリックして確定します。


Figure 6.

濃度を変更するとアスタリスクマーク(*)が“Records”のサンプル名の横、および“Record Information”の“[Cell] (M)”に追加されます。(Figure 7)


Figure 7.

変更後のファイルは、別名で保存することをお勧めします。

【Q9:DSCのデータをエキスポートしたいのですが、どうすればいいですか?】

PEAQ-DSCでは、図やCSV形式で保存することができます。“Reports”画面に進み、目的のReportのフォーマットを選びます。エキスポートしたいデータを“Records”リストから選びます。(複数選択も可能)目的のデータを表示している画面の右上にあるExport Menuアイコンをクリックすると“Export Data”および“Export Image”が表示されます。(Figure 8)“Export Data”ではCSV形式のデータが保存できます。“Export Image”では図として好みの形式で保存ができます。


Figure 8.

【Q10:最新のソフトウェアや取扱説明書はどこから入手できますか?】

現在のPEAQ-DSCの最新のソフトウェアのバージョンは1.30です。以下のサイトより入手可能です。(2019年2月26日現在)

ソフトウェアのアップデート情報については、“ソフトウェアアップデートの通知”をクリックし、『SOFTWARE UPDATE NOTIFICATION [SUN]』を必ずご確認ください。

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