Home » 技術情報・物性分析の基礎 , サポート・よくあるご質問 , マイクロカロリメトリー , MicroCal製品

MicroCal ITCメンテナンスに関するFAQ

2019/12/11 Posted by
今年も早いもので師走の季節となりました。1年の締めくくりと、新しい年を迎えるにあたり、お部屋や実験室の大掃除だけでなく、実験装置のメンテナンスも実施しませんか?
信頼性のあるデータは、信頼性のある装置から!そのためには、普段からのメンテナスがとても重要です。そこで今回は、実際にシステムの修理点検を行っているMicroCalのサポート担当者に、普段、どのようなお問い合わせが多いのか、聞いてみました。

題して、
MicroCalサポートに聞いたシステムに関するよくあるお問い合わせの原因Top3

※ランキングをクリックすると対処法のページに遷移します。

お問い合わせ時に多い内容
全機種共通
  •  普段のデータと違う
  •  データの再現性が出ない

お問い合わせ時に多い内容
全機種共通
  •  ニードルが曲がってしまった
  •  DP値が-30 μcal/sec付近から変わらずReference Powerの設定値に近づかない
  •  シリンジが割れてしまった

iTC200
  • シリンジに水が流れない、または少ない量しか水が流れず洗浄できない
  • シリンジにサンプルを充填したときに、プランジャーチップとサンプル液面の間の気泡が取り除けない
  • 滴定量が一定ではないような気がする

PEAQ-ITC
  •  ウォッシングモジュールのバキュームまたはフローのエラーでシステムの洗浄ができない
  •  シリンジにサンプルを充填したときに、プランジャーチップとサンプル液面の間の気泡が取り除けない
  •  滴定量が一定ではないような気がする

Auto-iTC200/PEAQ-ITC Automated
  • シリンジを交換しようとしたが、固着して取り外せない


お問い合わせ時に多い内容
iTC200
  • 装置から今まで聞いたことがない大きなモーター音がして、シリンジに水が流れない、または少ない量しか水が流れず洗浄できない

PEAQ-ITC
  • 洗浄時にシリンジやチュービングに気泡が流れていて「Flow not detected」のエラーが出て洗浄ができない

番外編

洗剤が入っているボトルに浮遊物が見られるが問題ないか?

Auto-iTC200/PEAQ-ITC/PEAQ-ITC Automated
→問題ありです。至急フレッシュな洗剤に入れ替えてください。洗剤の使用期限は測定環境等で異なります。使用時にボトル内に沈殿やゴミ等がないかを確認する習慣を心掛けてください。

☹PCが突然動かなくなった。解析ソフトウェアが突然解析できなくなった

VP-ITC/iTC200/Auto-iTC200
これらの装置は製造、販売が終了しており、使われているPCのOSもWindowsXPやWindows7などでWindowsのサポートが終了しています。また、PCそのものの老朽化が懸念されます。日ごろから、大切なデータを外部媒体へ保存するように心がけてください。また、使用しない場合はPCの電源を落とすようにしてください。

  • PCに不具合が見られた場合
→PC内部にあるメモリボードの抜き差しをして改善することがあります。詳細につきましては、ヘルプデスクにお問い合わせください。メモリボードの抜き差しで改善されない場合は、弊社にて調整されたソフトウェアインストール済みPCの更新をお勧めします。(Windows10に対応したものを準備しております。)

  • ソフトウェアに不具合が見られた場合
→不具合のある解析ソフトウェアをアンインストール後、英語版のユーザマニュアルに従い、再インストールをお願いします。アンインストールを行う前に、お手元に、解析ソフトウェアのインストーラがあることをご確認ください。インストーラは納品時期によって異なりますが、CDに「Analysis Software」の記載があり、シリアル番号の情報がケースに記されています。Originパッケージの中にあるインストーラCDではございませんのでご注意ください。お手元にインストーラがない場合は再発行(有償)が可能です。

引き続き、安定した状態でシステムを稼働させていただくためにも、PCまたはシステムの更新をお勧めしております。装置のサポート終了日は以下の通りです

各装置のサポート終了日

Auto-iTC200 2021年11月30日
iTC200 2024年 3月31日
VP-ITC 2026年5月31日



「セル/ピペットのサンプル汚れ」の対処方法
お問い合わせのほとんどが、セル/ピペットの汚れに起因する不具合です。これらのお問い合わせを受けたとき、我々はまず、システムの問題か、サンプルの問題かを切り分けるため、「システムチェック(水―水測定)」の実施をお願いし、そのデータを確認します。

【システムチェックのチェックポイント】
  •   DP値がReference Powerの設定値に近いこと
  •   小さな滴下シグナルが繰り返し同じように出ていること

上記チェックポイントから逸脱する現象が確認されたら、マニュアルにある「汚れがひどいときの洗浄方法」で、セルとシリンジの洗浄を実施します。洗浄後、再度システムチェックを行い、データが改善されるかを確認します。

「システムチェック」や「汚れのひどいときの洗浄方法」はここからもダウンロードできます。(https://www.materials-talks.jp/form20161213.html

洗浄後のシステムチェックで、再現性のないピークやベースラインポジションに問題がございましたら、弊社にご連絡ください。その際、システムチェックのデータもご送付ください。

また、装置を稼働していなくても、定期的にシステムチェックを実施し、装置の状態をモニターすることをお勧めいたします。



「ピペット/シリンジのトラブル」の対処方法

☹ニードルが曲がってしまった場合(DP値が-30 μcal/sec付近から変わらない)

全機種共通
以下の原因が考えられます。

  • シリンジに触ってしまった
→特にiTC200は、ちょっと触れただけでもニードルが曲がりやすいので注意が必要です。PEAQ-ITC以降、ニードル形状が太くなり、曲がりにくくはなりましたが、こちらも注意が必要です。ニードルが曲がるとDP値が-30 μcal/sec付近から変わらない現象が起こります。これは、シリンジがセル内部と物理的に接触し、発熱し続けていることに起因します。シリンジを挿入しなおして改善された場合、シリンジがセルに正しく挿入されていなかったと考えられます。挿入しなおしても改善されない場合はシリンジの交換を行い、改善されるか確認してください。

  • セルキャップをしたまま測定を開始してしまった
→オートメーションシステムでセルキャップをしたままシステムをスタートさ
せたことでニードルが曲がったケースがあります。

  • 新しいタイプのプレートシートの剥離面を外すのを忘れてしまった
→新しいプレートシートは3層構造になっています。剥離面の取り外しを忘れたことで、カニューラが曲がったケースがあります。

☹シリンジが割れてしまった場合

全機種共通
以下の原因が考えられます。

  • フィルポートアダプタ(FPA)をねじ込みすぎた
→特にiTC200で、FPAをねじ込みすぎたことでシリンジに亀裂が入るケースが多いです。慣れないうちは、経験者の指導の下、作業することをお勧めいたします。PEAQ-ITC以降は押し込むタイプになったため、シリンジが割れるケースは起こりにくくなっていますが、こちらも注意が必要です。オートメーションシステムの場合、システムの不具合が考えられますので、技術担当者にご連絡ください。


☹シリンジに水が流れない、または少ない量しか水が流れず洗浄できない場合

iTC200
様々な原因が考えられます。原因究明のために「MicroCal iTC200 ピペットに溶液が流れないときの対処方法」の指示に従い、お客様ご自身でご確認いただくことができます。原因によっては修理が必要になります。


☹ウォッシングモジュールのバキュームまたはフローのエラーでシステムの洗浄ができない場合

PEAQ-ITC
以下の原因が考えられます。

  • FPAの密着不足、または不良
→FPAは消耗品です。先端の黒い部分に傷がついたりしていないか確認し、垂直方法にやさしく装填します。あまり力を入れすぎるとFPAの先端の消耗が速くなりますので注意します。改善が見られない場合はFPAを交換します。(製品番号:PQA4007)

  • シリンジのナットが緩んでいる
→PEAQ-ITCではナットを緩める必要はありません。iTC200をご使用になられていた方がナットを緩められることがあるようです。ご注意ください。


☹ 滴定シリンジ内の気泡がFPAで取り除くことができない場合

iTC200/PEAQ-ITC
以下の原因が考えられます。
  • シリンジのナットが緩んでいる
→ナットが緩んでいないか確認してください(PEAQ-ITCではナットを緩める必要はありません。)

  • 滴定シリンジの破損
→目視でシリンジのヒビを確認、破損している場合交換ください。

  • FPAの詰まりや破損
→FPA先端からワイヤーを通してください。先端に摩耗がみられるようならばFPAを交換します。


☹滴定量が一定ではないような気がする場合

全機種共通
プランジャーチップの摩耗が考えられます。プランジャーチップの交換を行ってください。交換は、測定に条件によって異なりますが、約300測定に1度行うことを推奨しています。交換を怠りますと、ピペット本体の故障に繋がる可能性がございます。

iTC200/Auto-iTC200ユーザの方はこちらより「プランジャーチップの交換方法」をご確認いただけます。

☹シリンジを交換しようとしたが、固着して取り外せない場合

全機種共通
システムの洗浄が不十分な状態で、装置を長時間放置した場合などに起こります。納品時に同梱されているSyringe Removal Toolで外せる場合は問題ありませんが、無理に取り外そうとするとシリンジやピペット本体の破損につながりかねません。そのような場合は技術担当者に連絡をお願いします。

Syringe Removal Tool (製品番号:29031076)

シリンジの固着は測定終了時にシステムチェックを実施し、以下のポイントを確認することで防ぐことが可能です。また、システムを稼働していない場合でも、定期的にシステムチェックを実施することをお勧めします。


【システムチェックのチェックポイント】
  •   DP値がReference Powerの設定値に近いこと
  •   小さな滴下シグナルが繰り返し同じように出ていること

上記チェックポイントから逸脱する現象が確認されたら、マニュアルにある「汚れがひどいときの洗浄方法」で、セルとシリンジの洗浄を実施します。洗浄後、再度システムチェックを行い、データが改善されるかを確認します。

「システムチェック」や「汚れのひどいときの洗浄方法」はこちらからもダウンロードできます。(https://www.materials-talks.jp/form20161213.html

洗浄後のシステムチェックで、再現性のないピークやベースラインポジションに問題がございましたら、弊社にご連絡ください。その際、システムチェックのデータもご送付ください。


「送液系のトラブル」の対処方法

☹装置から今まで聞いたことがない大きなモーター音がしている場合

iTC200
以下の原因が考えられます。

  • ウォッシングモジュールのフィルター詰まり
→フィルターを交換することで、不具合が解消されるケースがありますのでシステム納品時に同梱されているフィルターに交換してみてください。ただし、システムが納品された時期によって、フィルターがウォッシングモジュール内部にセットされており、写真のようにフィルターが見えない場合があります。その場合は、お客様による交換が難しいため、弊社技術担当者にご連絡ください。


☹「Flow not detected」のエラーが出て洗浄ができない場合

PEAQ-ITC
以下の原因が考えられます。

  • ボトルが空になってしまっている
→超純水、洗浄液、メタノールの残量が十分か確認します。

  • FPAの密着不足、または不良
→FPAは消耗品です。先端の黒い部分に傷がついたりしていないか確認し、垂直方法にやさしく装填します。あまり力を入れすぎるとFPAの先端の消耗が速くなりますので注意します。改善が見られない場合はFPAを交換します。(製品番号:PQA4007)

  • シリンジのナットが緩んでいる
→PEAQ-ITCではナットを緩める必要はありません。iTC200をご使用になられていた方がナットを緩められることがあるようです。ご注意ください。

おすすめの記事

ご質問、お問い合わせはこちら≫