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粒度分布(粒子径分布) - 粒子特性評価のベーシックガイド3-2

2018/06/28 Posted by

当ブログの資料ダウンロードランキング上位に入る人気ホワイトペーパー「粒子特性評価のベーシックガイド(全9回)」の3回目(2)です。

本記事では、粒子径分布の基礎として、重み付き分布の種類や、粒子径分布レポートに使われるパラメーターをご紹介します。

粒子径分布の種類


特性評価を行いたい試料が完全に単分散でないかぎり(つまり各粒子の寸法が完全に同じでないかぎり)、その試料の統計的分布は様々な径の粒子から構成されます。この分布を表す方法として一般的なのは、頻度分布曲線や積算(ふるい下)分布曲線です。

重み付き分布

粒子径分布は、個別粒子の重み付けに応じて様々な方法で表すことができます。重み付けの仕組みは使用する測定原理によって異なります。

個数重み付け分布(個数基準分布)

画像分析などの計数手法を使用すると、数で重み付けされた分布が得られ、各粒子が径に関係なく同じ重みを与えられます。これは粒子の絶対数を知ることが重要な場合(未知の粒子の検出など)や、高い解像度(粒子単位)が求められる場合に最も役に立ちます。

体積・質量重み付け分布(体積・質量基準分布)

レーザー回折法などの静的光散乱技術を使用すると、体積で重み付けされた分布が得られます。この分布では、各粒子がどの程度分布に貢献するかはその粒子の体積(密度が均一の場合は質量と等しい)に関係します。つまり相対寄与は(粒径)3 に比例します。 この分布は試料の構成を体積/ 質量単位で表しており、したがってドル単位の価値を表すものでもあるため、これは営業の観点から極めて有益である場合がしばしばあります。

強度重み付け分布(散乱強度基準分布)

動的光散乱技術を使用すると、光強度で重み付けされた分布が得られ、この分布での各粒子の貢献度は粒子によって散乱する光の強度に関係します。例えばレイリー近似を使用すると、非常に小さい粒子の相対寄与は(粒径)6 に比例します。

異なる手法で測定した同じ試料の粒径データを比較する場合、測定およびレポート作成を行っている分布のタイプによって粒径の結果がまったく異なる場合があることに留意することが重要です。これは、5nm と50nm の直径を持つ同じ数の粒子から構成される1 つの試料を使用した下記の例で明確に示されています。数で重み付けされた分布では両方の種類の粒子に等しい重みが付けられ、小さい方である5nm の粒子の存在が強調されています。一方、光強度で重み付けされた分布では、粗い方である50nm の粒子は100 万倍の信号を有します。体積で重み付けされた分布では、両者の中間のデータが得られます。


同じ試料を使用した場合の、数、体積および光強度で重み付けされた粒度分布の例

粒径データをある種類の分布から別の種類の分布へ変換することは可能ですが、これには粒子の形状および粒子の物理的特性について、ある仮定を行うことが求められます。例えば、画像分析法を使用して測定し、体積で重み付けした粒度分布が、レーザー回折法によって測定した粒度分布と完全に一致する可能性は、極めて低いと思うべきです。

 

分布統計


“世の中には3 つの嘘がある。「嘘」、「真っ赤な嘘」、そして「統計学」である。” - Twain、Disraeli

粒子径分布レポートに使われるパラメーター

粒度分布データの解釈を単純化するため、様々な統計パラメータを計算し、レポートを作成することができます。ある試料に対して最も適切な統計パラメータの選択は、そのデータの用途および比較する対象によって異なります。

例えば、測定対象の試料中で最も数が多い粒径のレポートを作成したい場合、以下のパラメータから選ぶことができます。

  • 平均径−母集団の「平均」粒径
  • メディアン径(中央径)−粉体を粒径から2 つに分けたとき、大きい粒径と小さい粒径が50% ずつとなる径。 
  • モード径(最頻径)−最も高い頻度の粒径

多くの試料で見られるように、粒度分布の形状が左右非対称の場合、下記の図に示すように3 つの値がまったく等しくなることはありません。


ある粒度分布に対するメディアン径、モード径および平均径

平均径

分布データの収集方法および解析方法により、異なった平均の定義が数多く 存在します。粒度測定で最も一般的に使用される3 つの定義は以下のとおりで す。

  1. 算術平均D[1, 0] またはXnl
    算術平均は、粒子計数のように粒子の数が測定対象になっている場合に最も 重要です。これは試料内の総粒子数が分かっている場合にのみ計算することが できるため、用途は粒子の計数に限られます。
  2. 表面積モーメント平均D[3, 2] またはXsv
    表面積平均(ザウター平均粒径)は、特定の表面積が重要な場合に最も関係 します(例:バイオアベイラビリティ、反応性、溶解性など)。これは粒度分布 内の微細な粒子の存在を最も明確に表します。
  3. 体積モーメント平均D[4, 3] またはXvm
    体積モーメント平均(De Brouckere 平均直径)は試料体積の大部分を構成 する粒子の径を反映するため、多くの試料に関係があります。これは粒度分布 内の大きな粒子の存在を最も明確に表します。

表面積モーメント平均および体積モーメント平均の例を下記の粒度分布に示 します。この試料の大部分を構成する粗い粒子の径を測定することが目的であ れば、D[4, 3] が最も適切です。一方、存在する微細な粒子の比率を測定するこ とが実際上、より重要であれば、D[3, 2] を使用する方が適切です。


多量の微細粒子が存在する粒度分布におけるD[4, 3] およびD[3, 2]

パーセンタイル

レーザー回折法による測定のように体積で重み付けされた粒度分布の場合、 試料で所定の比率を占める体積における最大粒径に基づいてパラメータのレ ポートを作成すると便利な場合がしばしばあります。

パーセンタイルはXaB と定義され、以下の意味を持ちます。

  • X = パラメータ、通常は直径を表す
  • D a = 分布の重み付け(例:数の場合はn、体積の場合はv、強さの場合はi)
  • B = この粒径を下回る試料の割合(例:50%、小数で0.5 と表されることもある)

例えば、Dv50 は試料体積の50% が下回る最大粒径であり、体積単位のメ ディアン粒径とも呼ばれます。

下記の頻度図および積算図で示されるように、Dv10、Dv50 およびDv90 が 最も一般的にレポートが作成されるパーセンタイル値です。


積算図および頻度図における体積率

これらの3 つのパラメータを監視することで、主な粒径に重要な変化が起 こっているかどうかや、分布の末端で変化が起こっているかどうかを調べるこ とができます。これらが起こっている場合、下記の粒度分布に示すように微細 粒子または過大な径の粒子/ 凝集体の存在によるものである可能性がありま す。


多量の微細粒子が存在する粒度分布におけるDv10、Dv50 およびDv90

続きは:粒子特性評価のベーシックガイド

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